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[翻訳] 米児童文学の古典的名作を完訳! 『トムと波止場の大砲』 (試し読み)

この記事どう? ええよ~

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概要

このたび、トマス・ベイリー・オルドリッチ作『 THE STORY OF A BAD BOY 』の日本語訳『トムと波止場の大砲』を電子書籍としてリリースしました。

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原著は 1869 年に刊行され、たちまちのうちに版を重ねるヒット作になったばかりか、英語版 Wikipediaによれば、『トム・ソーヤの冒険』に代表される「不良少年モノ」というジャンルの開祖となりました。(『トム・ソーヤの冒険』は 1876 年)

それを私こと桝田道也がなんとかかんとか訳して挿絵をつけたのが本書です。訳したといってもだいぶ機械翻訳に頼ったわけですが(汗)それでも意味が通らないところを辞書を引き引き自力で訳して、小説としての体をなすようリライトしました。

This is the story of a bad boy. Well, not such a very bad, but a pretty bad boy; and I ought to know, for I am, or rather I was, that boy myself. Lest the title should mislead the reader, I hasten to assure him here that I have no dark confessions to make.(原文)

これが、

これは悪い少年の話です。 さて、ない、そのような、1つの、非常に悪い、しかしかなり悪い少年; また、私は知っているべきです、のために、私はいます。あるいは、もっと正確に言えば、私はそうでした、その少年私自身。 タイトルがリーダを誤解させないように、私は行うべき暗い告白を持っていないことを彼に急いでここで保証します。(エキサイト翻訳による訳文)

こうなって、

 これは不良少年の話——いや、不良少年というほどひどくはない。しかし、悪ガキにはちがいない——そういう少年の話だ。そう、ぼくの知る限り。なぜならその少年とはぼく自身のことだからだ。
 おっと、不良少年の話と聞いて、読者が誤解するといけない。この物語にはどこにも暗~い罪の告白などない。安心して読み進んでくれたまえ。(桝田道也が修正した訳文)

こうなってるので、なんとかお代をいただいていい仕事はやったと思います!(断言)

そして、本書の全22章に一枚づつ、挿絵も描きました。サイズは各ダウンロードサイトの奨励サイズに横幅を合わせておりますが、奨励サイズが指定されてない場合は 800 × 1132 ピクセルです。フルカラー。作画はアナログ(鉛筆と透明水彩)で行いました。

キャラクター

トム・ベイリーナッター老ミス・アビゲイル
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主人公。南部のニューオーリンズで育ったが、あるとき合衆国北部ニューイングランド地方の町・リバーマスのテンプル文法学校へ転校する。トム・ベイリーはリバーマスでさまざまな冒険や体験を通じて成長していく。 トム・ベイリーの祖父。トムの両親は仕事のため南部を離れられなかったため、トムはリバーマスの祖父の家へ預けられた。米英戦争のとき民兵であったこともあり、作中ではしばしばキャプテン・ナッターと呼ばれる。 キャプテン・ナッターの妹。トム・ベイリーの大おば。ナッター家の家事をとりしきっている。民間療法に凝っていてナッター家の家族を閉口させている。
キッティー・コリンズセイラー・ベンネリー・グレントワース
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ナッター家のメイド。ナッター家からは単なるメイドではなく家族同然に考えられている。夫が行方不明になったという哀しい過去がある。 トムがニューオーリンズからリバーマスへ行く途中、船で仲良くなった水夫《セイラー》。のちに再会する。 ある夏、ナッターハウスへ遊びに来たトムのいとこ。19歳。14歳のトムはネリーに恋してしまうが……
テンプル文法学校の先生と友人たち
  • グリムショウ先生……テンプル文法学校の校長先生。ほとんどの授業を担当する。生徒たちから尊敬されている。
  • フィル・アダムズ……年長の友人。トムの冒険やイタズラの仲間
  • ジャック・ハリス……年長の友人。あばずれヶ丘の大雪合戦の将軍を務める
  • ペッパー・ホイットコム……主人公の無二の親友となる。
  • ハリー・ブレイク……あらゆるものにイニシャルを刻むことに執着するハンサムな少年
  • チャーリー・マーデン……冗談の好きな少年
  • フレッド・ラングドン……グルメな少年
  • ビニー・ウォーレス……年少の友人。
  • ビル・コンウェイ……常に暴力に餓えていて、トムを目の敵にしている。

ストーリー

この物語は大人になったトムがリバーマスで過ごした三年半をつづる年代記です。

第一章 ぼくという人間について
ようするに、ぼくはニューイングランドのどこにでもいた、普通の少年だった。干からびたオレンジのような、孝行少年の物語の主人公ではなかったってこと。
第二章 ぼくのゆかいな偏見
しかし、父が教育のためにぼくを北部へ転校させると言ったとき、ぼくの中には北部への偏見が育っていた。
第三章 タイフーン号の三人男
彼は思ったとおり気のいいセイラーで、ぼくたちは五分とかからず仲良しになった。
第四章 リバーマス
リバーマスには植民地時代の歴史のすべてがある。だれの家にも歴史の痕跡があり、それはときには考えさせられ、ときには楽しませてくれる。
第五章 ナッター・ハウスとナッター・ファミリー
この家に憎しみ合ってるようにしか見えない二人がいたとすれば、それはミス・アビゲイルとキッティー・コリンズだ。また、この家に親愛の情で結ばれている二人がいたとすれば、それもミス・アビゲイルとキッティー・コリンズだった。
第六章 光と影
テンプル文法学校での初日はこんなもので、ぼくはおおむね満足した。ぼくは数人の親友を作り、コンウェイと彼の舎弟のセス・ロジャースを恒久的な敵だと認定した。この二人はまるで吐き気と頭痛のようにいつもセットになっていた。
第七章 忘れられない夜
しかし、笑うどころではなかった。突然あらわれた五人か六人の警官にぼくたちは押さえつけられたのだ。ぼくたちは、自分たちに何が起こったのか把握するひまもなく、逮捕されて留置所へしょっぴかれてしまった。
第八章 独立記念日の冒険
突然すさまじい大爆発が大気中へと上昇した。ぼくは足の方から激しく投げ出され、そこからさきはもう何も覚えていない。
第九章 ぼくはR.M.Cになった
リバーマス・センチピーズは、ぼくが知ることができずにいた、まさしく選ばれし者の社会だった。
第十章 コンウェイとの対決
ただ、やつが小さなビニー・ウォーレスにした乱暴は、ぼくへの個人的な攻撃よりも耐えがたい。もしこのとき怒りを爆発させていなければ、ぼくには雌鶏ほどの勇気もなかったことになる。
第十一章 ジプシーに関するすべて
この、ぼくの小さな友人は、なるほど、女性特有の優雅な弱点から免除されていなかった。そう、たいへんかわいかったのだ。さらに、ジプシーはそのことに気づいていた。
第十二章 リバーマスの冬
日没の直前から温度計がグングン下がり始め、ぼくたちは経験したことのない寒さに苦しむ夜を明かした。
第十三章 あばずれヶ丘の雪砦
あばずれヶ丘砦へ接近するのは、もはや子供の遊びではなくなっていた。守るほうにとっても危険は同じ。両軍とも、五体満足なのは四人に一人というありさま。戦闘不能になった仲間を野戦病院まで引きずっていくあいだ休戦の旗があがるのも珍しくなくなっていた。
第十四章 ドルフィン号の航海
ぼくが記憶をたどると、他のどの少年時代の思い出もおさえて、しばしば特定の春へと行き着く。生涯において決して忘れることのできない事件が起きた、その春へと。
第十五章 歳を食った友人との再会
ベンは思い出した。握った手に押し返す力がこもり、ぼくのすねた顔が彼の記憶に変更を与えたのだと確信した。
第十六章 セイラー・ベン物語について
まもなくベンはリバーマスに錨を降ろした。それからベンは、あっというまにリバーマスの名物男になった。
第十七章 ぼくたちはどうやってリバーマスを驚かせたか
興奮したジャック・ハリスは叫んだ。「我々は命にかけてもやりとげねばならない!この、片舷全砲連射を!」
第十八章 きっとカエルは口説きに行く
その後の多くの時間をネリーといっしょに座って過ごした。夢のような九月の午後。もしぼくがその時間を野球にあてていれば、そのほうがぼくにとって有益だっただろうに。
ぼくは滅びゆく者になる
ぼくはかつて、旺盛な食欲を持っていて、世界を肯定していて、スポーツが好きで、かっこいい服が好きだった。いま、これらのものはすべて、これからの自分にそぐわないもののように思われた。
ぼくは自分が祖父の血を引く者だと証明する
それは遺伝的な才能だった。暴走の血だった。この特性を説明したり、言い張るつもりはない。異論は認めよう。
第二十一章 リバーマスを去る日
ニューヨークへの引越しの準備の忙しさで、ぼくは自分をそれほど気の毒には思っていなかった。しかし、旅立ちの瞬間が来たとき、馬車の荷台へぼくの小さなトランクが投げ置かれるのを見たとき、幸せだった古い人生が新しいものに置き換えられる漠然とした恐怖に襲われた。
最終章 一同退場
リバーマスでの学校生活の終了とともに、ぼくのこの書きすぎの年代記も終わる。ぼくの新しい生活、道路、そしてそれから遭遇した新しい友人や敵、やったこととやらなかったことは、この物語の扱わない範囲の話だ。しかし、記録に「完」と書く前に、少年時代の感覚が残っているうちに、作中の主要人物について二言か三言、語っておこう。

 『トムと波止場の大砲』 表紙(ロゴ無し)  『トムと波止場の大砲』 第一章 ぼくという人間について  『トムと波止場の大砲』 第三章 タイフーン号の三人男  『トムと波止場の大砲』 第四章 リバーマス  『トムと波止場の大砲』 第七章 忘れられない夜  『トムと波止場の大砲』 第九章 ぼくはR.M.Cになった  『トムと波止場の大砲』 第十章 コンウェイとの対決  『トムと波止場の大砲』 第十三章 あばずれヶ丘の雪砦  『トムと波止場の大砲』 第十七章 ぼくたちはどうやってリバーマスを驚かせたか  『トムと波止場の大砲』 第十八章 きっとカエルは口説きに行く  『トムと波止場の大砲』 第十九章 ぼくは滅びゆく者になる  『トムと波止場の大砲』 第二十章 ぼくは自分が祖父の血を引く者だと証明する

無料試し読み版

試し読み版をダウンロードする……tom_and_guns_of_wharf_sample.epub(10MByte)

試し読み版は第七章の前半までの ePub3 ファイルです。閲覧にはePub ビューワーが必要です。

窓の杜 – 【NEWS】Adobe、電子書籍管理・閲覧ソフト「Adobe Digital Editions」v2.0を公開
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蛇足

なんか児童文学っぽく思われがちですが(実際、児童文学でもあるんですが)試し読み部分だけでもわかるとおり、大人の知的好奇心を満足させる内容です。

買って後悔しない本ですよ!

挿絵は、最初は世界名作劇場そっくりにしようと思ったのですが、なんかパロディみたく誤解されるのもいやだったので、わりと自分の描きたいようなキャラデザにしました。ネリーが赤毛のアンっぽくなりすぎたかなと少し反省してますが(だって原著におさげだと書いてあるんだもん……)。

ひさびさに使ったら水彩むずかしいなあと思いました。こんど杉作さんに教わりたい。

ここはシェアと拡散の店だ。どんな用だい?

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