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日記/2009国宝四城を3日でまわる(前編) | 09.10.20 (火)

鉄道の日記念きっぷを使い、国宝四城を3日でまわってきた。

いま描いてる原稿で、姫路城を描かねばならんのですよ。 で、あんな複雑な城、トレス以外で描きたくないなぁ……と思って。

んで、どうせなら自分で撮った写真をトレスしたい。つか、現地取材したい。 みなもと先生も、彦根城に実際に足を運んで気付いたことがあったと書いておられたし、 現地取材はできることならやったほうがいい。

姫路城ならこの先も何度か使うことになるかもしれん。元は取れそうだ……と思って、一念発起、取材に行くことに決めた。

で、なるだけ安く行きたい。夜行バス(¥3500)で神戸まで行き、そこから姫路へ行って写真を撮って夜行バスで帰る、2泊(バス)1日という線も考えた。

一方、ちょうどJR全線普通列車が3日間乗り放題になる『鉄道の日記念きっぷ』の時期でもあった。ほぼ一万円。神戸~姫路間の交通費を考えれば経費は夜行バスと同じくらい。

大垣夜行が運行中ならそれもいいが、今はない。始発で出発しても到着が午後3時くらいでは、 逆光とかいろいろ、不安が……。

ここで気がついた。無理せず一日で姫路まで行こうとせず、 一日目に松本城を撮って名古屋か京都か大阪で一泊して、 二日目に姫路城、3日目にどこか適当な城を撮る……という、日本の城いろいろ撮るぞ旅行をして帰ればいいじゃないかと。 思い立ったが吉日とばかりに、出発した。

なぜか乗り継ぎがうまくいき、松本城を撮ったあと、一日目の深夜に姫路まで着いてしまった。 急遽、計画を変更して、3日目に彦根城と犬山城へ行った。結果的に国宝四城(復元ではない現存天守のある城で国宝指定されてる四城)をすべてまわってしまった。

結果、足首も膝も腰もガクガクになるほど、ハードな取材となった。 3日だったけど6日くらいは旅行したかのような感覚。

出かけると雨に降られることが多い私なのだけど、めずらしくずっと秋晴れでした。 日ごろの行いがヨイサッサァー。

 松本城にて 松本城

 姫路城にて 姫路城

 大阪城 天守と自分撮り 大阪城

 彦根城 天守 彦根城

 犬山城 天守 犬山城

セルフ撮影が恥かしくなくなってきた。

一日目


【松本城】  黒の城 もみじ・青柳 蒼い空

最寄駅の始発に合わせて早朝、出発。

中央線で一路、松本へ。18 きっぷで帰省をした回数はギリギリ片手で数えられる程度。 うち半分は中央線ルートを使った。が、いつも塩尻で乗り換えて名古屋に向かうため、 松本まで行ったのはこれが初めてとなった。

松本には午前 10 時すぎに到着した。

 松本城 大天守

到着時は薄曇り。

 松本城 大天守  松本城 石落と天守台

 松本城 懸魚  松本城 懸魚

いわゆる破風のところに付く懸魚《げぎょ》というやつ。 松本城のそれは、釘を何本も打ち込んでテクスチャにしてたのか!?
くぎゅぅううううう(←使い方、間違ってますか?)

 松本城 天守一階

柱、いいですよね! » コメント欄

言われてあらためて撮った写真を見たら、下の階の方の柱は黒く、最上階あたりの柱はあまり黒光りしてないのに気付いた。

下の階は暗いから黒く見えるというだけでなく、 暗い階→より多く灯明を焚いた→煤で黒くなった、のだと思う。

 松本城と小学生

遠足か修学旅行らしい小学生たち。 天守の階段は大人でも登るのに苦労するほど急傾斜かつ一段が高いので、 子供たちは難儀していた。怖くて降りるに降りられない子も。

 松本城 屋根

本瓦の上に、さらに平瓦。つららで屋根が傷むのを守るため。さすが信州ですな。

 松本城 ラクガキ

カンベンしてくださいよ国宝なんですから。

 松本城 天守からの眺望

天守最上階からの眺めは素晴らしいのだけど、金網が悲しい。

 松本城 天守(たぶん)四階

天守四階。会議室的な使われ方をした場所らしい。 ちょっと家老気分。

 松本城 月見櫓 花灯窓

花灯窓(火灯窓)って嫌いです(描くのが面倒だから)

 松本城 月見櫓  松本城 月見櫓

天守最上階は金網が張ってあったけど、かわりに月見櫓の回廊は出放題、歩き放題。問題は月が出てる時間には入城できないことか?

 松本城 大天守

城から出たら快晴になっていた。 だったら写真を撮り直せばよかったのに、そこまで気が回らなかった。 この写真は、あとで動画を作るかもしれないと思って素材用についでで撮ったもの。 だから空の晴れ具合も水面への写りこみも素晴らしいのだけど、VGA サイズで撮ってしまったのだ。嗚呼……

 松本城 宇宙ツツジ

向井千秋氏が持って帰った、宇宙に行ったツツジのタネを群馬県館林市から寄贈されたもの、らしい。

 日本民俗資料館 男根

松本城の隣の博物館にて。

 日本民俗資料館 男根

そりゃ、そう書くしかないよなぁ。

姫路へ

松本城を一回りして午後1時半あたり。 名古屋、あるいは京都で一泊するには午後5時あたりに出発すればいいのはわかっていたので、 このまま待って夕暮れの松本城を撮るのも悪くないと考えたものの、さすがに3時間も待つのは辛そうだったので、今日のうちに行けるだけ行こうと松本を発つことにした。

遅い昼食は駅前のそば屋。カウンター席のみの、値段的に立ち食い蕎麦同然の店。 メニューに、にしん蕎麦があった。 京都じゃないのに、めずらしい。同じ盆地だからかな?と思って注文してみた。

関東風の黒いつゆに、真空パックの身欠きにしんが乗っただけのもの。 非常に残念な味だった。

 松本の KIOSK にて購入

個人的にヒットだったのはこれ。駅売店で売ってた『ふきみそおにぎり』と『そばドラ』。 とくにコンビニおにぎり大好き人間なので『ふきみそ』は非常に気に入りました。 春先には首都圏でも売って欲しいなぁ。

『そばドラ』はドラ焼きとしては美味しかったのだけど、 蕎麦の風味は私にはわかりませんでした(味オンチ)。

そうこうしてるうちに、名古屋へ到着。

デジカメのバッテリ

実は、デジカメのバッテリがやばくなっていた。 写真が撮れなくては取材の意味がない。

メモリー効果が進んでバッテリの持ちが悪くなってるのは気付いていたのだけど、 それでもフル充電したのが2個あれば3日はもつと思っていた。 しかし松本城を撮り終えて1個目はすでに残量わずか。2個目で姫路城は撮れるとしても、3日目が……

3日はもつと根拠無く思い込んでいたので、バッテリチャージャーも持ってきてなかった。 泣く泣く、名古屋のビックカメラで純正バッテリを購入。

開けてビックリ玉手箱。注意書き。
「このバッテリは充電してから、お使いください」
な、なんですと~~~!?

しかしカラではなく、50% ほどは残量があった。3日目は、節電モードで大事に使うしかないな……と思いつつ、駅へ戻った。

今日中に大阪あたりまで行ければ……

目の前に、普通・姫路行きと、快速・播州赤穂行きが止まっていた。

ここから予定が狂いだした

 姫路城 夜

23 時頃(だったかな)、姫路到着。まさか夜の姫路城を撮れるとは。

バッテリを買って予定外の出費でサイフの中は残り千数百円しかなかったので、 野宿を考えてしばらくブラブラしてみた。

寒かったし、すこしはマシな場所で寝ておかないと残り二日が辛そうだったため、 ネットカフェの四時間パック(ナイト料金:千円+入会金 300 円)を利用した。

twitter.com/mitimasu から転載

Wed, Oct 14
  • 05:04 ほいだば出かけまっさ。
  • 06:22 立川なう。曇ってる。いやん
  • 07:57 山梨なう。
  • 09:33 やばい信州さむい。しまった。
  • 11:04 国宝なう。
  • 14:34 デジカメのバッテリやばい。三日で二個の予定が一日一個ペース。チャージャーマもってきてない。
  • 19:23 岐阜なう。
  • 20:57 今日中に目的地に着けそうで悩んでる。24H営業のファミレス等あるのかどうか。
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二日目

姫路城


【白鷺城】  朝焼けと 下弦・明星 姫路城

ネカフェで四時間寝て、起床。利用料金を支払ったら、残金 253 円。お城に入れない(笑)

開城時刻までまだあと5時間。ぶらぶらと城の周りを散歩。

 姫路城 朝の水掘  姫路城 明け方  姫路城 明け方

朝焼けと姫路城。電線(号)電柱(泣)。

電線と電柱がモチーフとしてすばらしいシチュエーションもあるけど、たいがいは邪魔だよね。 世界遺産の周辺なんだから、地中化を検討した方がいいと思う。

しかし、電柱以上に問題なのは↓こっちだろう。

 姫路城 街中彫刻

こーゆーの。いわゆる街中オブジェ。姫路市にはやたらたくさんあった。 具象から抽象まで統一感まるでなし。 作者に罪はない。しかし、この
「アートさえあれば街の雰囲気が良くなる」
という美意識の欠如した市のえらい人たちの思い込みのせいで、 お城周辺の景観が台なし。

善意でやってるだけに、景観破壊だと糾弾しにくい。 この問題は姫路市に限らず、日本全国どこにでもあるんだよね。

とにかく、駅前にアートがあればいい。他所でやってるんだから、ウチでもやる。 アートであればなんでもいい(芸術って、よくわからんし)。 すべて彫刻家におまかせする……結果、みうらじゅん先生が喜びそうなB級駅前景観が出来上がっていくんだな。

いや、わたしもそういうテイストレスなB級景観は嫌いじゃないけど、 でも、さすがに姫路城周辺では見たくなかった。

ついでに言えば、撤去すればすむ問題でもない。 一度設置してしまったからにはそう簡単に無かったことにはできないのがアートだから。 腹をくくって共存していくのがベストであり、あと 50 年もたてばこれらのアートも街と城に馴染んでくるだろう、と思う。

 姫路城 ダム穴?

お城のお堀は敵を阻むための要害であると同時に、貯水池でもある。 だからこれもダム穴(→wikipedia)と言えよう。

 姫路城 お堀のアオサギ

白鷺城のお堀にアオサギ。

 姫路城 修理中の櫓

平成の修理は、すでに西の丸で始まっていた。 そう、天守の修理が始まったら一年は(五年かかるそうです)外から見えなくなるので、いまのうちに見に行かねばと思ったのが今回の旅行の理由でもあったのですよ。

今回の修理は修理中の様子を公開するようで、通常では見られないような角度から天守を眺められるらしいので、天守の修理が始まったらまた行くかもしれない。(追記:行った。)

 姫路城 天守  姫路城 天守

 姫路城 石垣(おそらく豊臣期)

敵(入場料を支払おうとしない輩)の侵入を食い止める武者返しというか、鉄条網。

わっ、私はちゃんとお金を下ろして、入城料を支払って入りましたよ!(なぜか焦る)。 そんな、誘惑に駆られてなんか……

城の周りを一周して、ベンチで一眠りして開城を待った。 開城時刻。 スピーカーから『春の海』が流れてズッコケそうになった。 それは正月の曲だろうが。(YouTube - 検索:春の海) 日本らしい曲ってことで選んだんだろうけどさ。

あんまり理解してもらえそうにないけど、吐いておく。

たとえばビバルディゆかりのサン・マルコ大聖堂に行ったとして、 春でもないのに『春』が流れたら、なんじゃそりゃ、と思うのですよ。

宇宙の番組や映画で土星や火星が舞台なのにBGMがホルストの『木星』だったら、えーっ!てなるんですよ。

ああ、だめだ。やっぱり伝わりそうに無い。つまらんことで怒ってる神経質丸出しのクソ野郎だな>自分。

帰宅してウィキペで調べたら(→春の海 - Wikipedia)、
> 曲のモチーフは(中略)瀬戸内の福山市の鞆の浦をイメージして描いたものである
> 『春の海』は宮城が西欧の音楽に影響を受け作曲した作品で、伝統的な近世邦楽ではない。
ああ、姫路に関係ない。あまつさえ雅楽としては歴史の浅い部類の曲だったとは。 (でも、正月の曲ってのも私の勝手な思い込みかな?春に新春(正月)という意味はあるけど、作曲者がその意味をこめたのかどうか)

ほんと、もうちょっと考えてくださいよ、と。お城ってことで日本的な雰囲気を出したいんだろうけど、エドモンド本田みたいなことになりかけてますから。

良い曲なんですけどね。TPO ってあるでしょう、と。

 姫路城 石垣(おそらく豊臣期)

しかし、そういうのとは関係なく、城は素晴らしかった。この辺の石垣は秀吉時代に集められた石かな……?

 姫路城 塀

『まる、さんかく、しかく』を歌いたくなるのは私だけではあるまい。

 姫路城 天守

 姫路城 屋根瓦(漆喰目地止め)

風雨にさらされた漆喰はセメントモルタルと区別がつきにくいと思った。

 姫路城 天守入り口

プラ波板がくっついてる世界遺産ってのも、そうはあるまいと思う。 が、意外に雰囲気は悪くないと思った。ちゃんと馴染んでるというか。 軽いだろうからお城の負担になることもないだろうし。

 姫路城 天守屋根(漆喰目地止め)

天守最上階から。ぞわぞわするね。吸い込まれそうだ。

 姫路城 西の丸屋根(漆喰目地止め)

平成の修理がされてる最中の西の丸から。 塗りたての漆喰はこんなに綺麗。 しかし、これを描くことを考えるとめんどくささで気が遠くなる。

 姫路城 西の丸(漆喰塗りなおし後)

こっちも修理済みの多門櫓。ピッカピカやぁ~。


このエントリは長かったので二つに分けました。
 →国宝四城を3日でまわる・後編 - 桝席


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