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感想文/マンガ真夏の夜のユキオンナ | 04.12.25 (土)

『真夏の夜のユキオンナ』

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  • 著者:大山 玲
  • 出版:講談社
  • 税込価格:各780円(税別)

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えっちぃ表紙ですな。まー内容は16禁くらい(←主観による)なので安心して買うとよいでしょう。

てゆうか買え。旧版が出てから14年。 復刻に至った諸般の事情はわからねど、 10年後に3度目の復刻があるとは限らねぇぞこのやろう! だから買えるときに買っておけって。
名作ではないが傑作。奇作にして怪作であると同時に迷作。 悪いことは言わん。良い事だけを言う。このマンガは読んでおく価値のあるマンガだ。 だから読め。なるべくなら買って読め。ということだ。

作品紹介

百拝晴明(もがみはるあき)は霊媒師の後継ぎであったが、 その血筋の中でも珍しい「霊的不感症」という体質の持ち主だった。
つまり霊的な存在に対して並外れた鈍感。霊媒師の後継ぎとならねばならないのに、妖気や霊的な存在を感じることができない。
が、しかしその特異な体質には反面、

  • 憑かれようが祟られようが意に介さない
  • 言霊・幻惑が通じない
  • 「気」による攻撃は全く効かない
などのメリットもあり、修行いかんでは稀代の祟られ屋になれる逸材でもあった。
使いこなせねば宝の持ち腐れとなるその能力を鍛えるべく、 晴明の祖母は知人である雪女 - 八寒地獄の霊気を操る高等人型吸精妖怪 - を晴明にとり憑かせたのだった ……。


と、いう設定のもとに、最後で作者が書いているように >ホントは、毎回、その能力でもって妖怪の再就職世話人的活ヤクをしてもらうつもりだった という話になっていれば、もう少し万人受けする佳作になっていたかもしれない。 が、ここまで記憶に残る作品にはならなかったのではないか?

幸か不幸か(個人的には幸にして)物語は初期コンセプトどおりにはならず、

  • 主人公と、主人公の式神と、許婚の三角関係に、
  • 特異体質の友人(月の光を浴びると女性化する。普段は男)を解説君に置き、
  • 物語の手綱を握る雪女を加え、
  • ドロドロかつグダグダの愛憎エロコメ(?)を軸にして、
  • 妖怪バトルや妖怪豆知識や雪女の過去に関わるしがらみ話やエコ思想や恋愛観やエロとかパロなんかが全部ブチ込まれた

物語になってしまった。

今まで、なんで自分がここまでこの作品が好きなのか不思議に思っていたが、この “若い作者が描きたいこと全部やっちまったムチャクチャ感” が自分の琴線に響いたからだったんだな。

あと、それだけの要素を詰め込みながらなんとかまとめあげた、新人離れした技量と画力に感嘆したというのもあるけど。

実際、『真夏の夜のユキオンナ』は“名作ではないが傑作。奇作にして怪作であると同時に迷作。”と書いたとおり、 手放しで誉められる作品ではないと思う。

物語はちっとも計算どおりに進んでいないし、 最終回は多少、唐突であり伏線は大量に放置されている。

だから面白さは保証できるけど名作だとは言えない。 が、他に類を見ないマンガであることは間違いない。

マンガが好きな人だったら読んでおいて損は無い作品な、はずだ。

余談

ふと気がついた。拙著『浅倉家騒動記』の殿様の名前を決めるとき、 適当にその場で思いついた“晴明”にしたのだけれど、 なぜその名前がふと浮かんだかは、このマンガが脳内に刷り込まれていたからだったんだな。

あと、おなじく浅倉家で陣内がゴロゴロ転がる話は、 『真夏の夜のユキオンナ』の第14話の演出を色々とパクリ参考にした。

俺の画力が拙いから参考にしたなぞとほざくと迷惑かもしらんが。

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