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感想文/小説『筒井康隆自薦短編集(3)』 | 04.05.01 (土)

『筒井康隆自薦短編集(3) 日本以外全部沈没』

『筒井康隆自薦短編集(3) 日本以外全部沈没』読了。 筒井康隆作品はほとんど読んでおらず、近いうちに読んでみる、と公言していたので。

「虚人達」「間接話法」が近所の図書館で見当らなかったので、 あおきさんご推薦の「バブリング創世記」を含む作者自薦短編集(パロディ編)から読むことにした。

感想。当たり外れが大きかった。 コンセプト第一な作風が鼻につくことが多かったのは、同族嫌悪なのだろうか。 著名な作家を指して(自分と)同族呼ばわりするのは自惚れが過ぎまくりだが。

以下雑感。

火星のツァラトゥストゥラ
そのオチが書きたかっただけちゃうか?と思ったら巻末解説で 「オチが最初に出来て、全体を作っていった」とあった。 出だしとオチは良かったが後半の展開はイマイチ。
日本以外全部沈没
面白い。パロディだから当然なんだが、しっかり小松左京していると思った。
ケンタウロスの殺人
SFミステリ。種明かしがつまらないのはミステリとして、どうかと。
小説「私小説
私小説憎しの念が強すぎてあまり笑えない。 作者自ら肝とした老小説家が女中を犯すシーンはたしかに迫力があった。 ダークなオチに、やや引いた。
ホルモン
星新一『セキストラ』のパロディかと思ったが、違うらしい。さほど。
フル・ネルソン
これは良かった。わけのわからなさが心地良い。
モダン・シュニッツラー
良くなかった。最後のわけのわからなさがぞっとしない。
デマ
読みづらい。苦労して読んでも、さほど。 システムいじり系としては、壊したシステムが生かされてないように思えた。
バブリング創世記
この短編集の中では白眉。暗唱する人が幾人か現れたというのも頷ける。
裏小倉
くどい。そこが良いのかもしれんが、自分はダメだった。
諸家寸話
事実らしいので、特に何も。星新一が大作家なのに金の話ばかりする、というのが笑えた。
読者罵倒
発表当時は凄かったのだろう、とは思った。発表当時に読んでたら、衝撃を受けただろう。
筒井康隆のつくりかた
全体的に散漫な感じがした。

『バブリング』『フル・ネルソン』『日本以外全部沈没』は、 文句無しに傑作だった。他は、
「偉大さはわかるんだけどー」
といった感触。

今の若いマンガ好きが大人になって初めて手塚を読んだ感想、みたいなもんか? その例えはちょっと違うか。

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