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すぐ影響されて茴香豆(ういきょうまめ)作る奴

ええよ~ : 1

もー。読んだ小説にすぐ影響されて料理作るー。

茴香豆

自分のコンテンツのくせに自分のサイトでまったく告知してませんが、パブリックドメインの小説をコマ割りするという、妙なことを始めました。Kindle無料コミックです。

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それで、魯迅『孔乙己』をオススメされたので、これをコマ割りしました。

 >魯迅『孔乙己』 ― 文学の名作をコマ割りしちゃいました。― | 魯迅 | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
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『孔乙己』はいままで読んだことが無く、はじめて読みました。

大変おもしろく、影響されて、作中に出てくる茴香豆を作ったという話です。

人間が単純に出来ていますね。

検索すると、ソラマメまたは枝豆を醤油・紹興酒・茴香(ウイキョウ / フェンネル)で煮て冷ました料理とのこと。

よっしゃ、材料が分かった!あとは勘じゃーい!レシピ?そんなものに頼るな!自分の本能にしたがうんだよ!

というか、自炊歴がそこそこ長ければ、材料さえわかれば、あとはだいたいこんなもんだなと想像がつき、テキトーでなんとなかるのです。

なんとかならなかったときは、涙を流しながらモソモソ食うだけなのです。

さて、ソラマメにするかエダマメにするか。なんとなくですが、『孔乙己』のはソラマメのように思えたので、ソラマメにしたいと思いました。

が、いまは季節じゃないので、生のソラマメはとてもお高い。

そこで業務スーパーの冷凍ソラマメにしました。500gで198円。

そして、家に紹興酒を常備してるほど中華料理を作ったりしないので、これまた業務スーパーで、いっちゃん安い紹興酒(398円)を購入。いっちゃん安いと書きましたが、これと、798円の奴の二種類しかありません。

ウイキョウは五香粉(ウーシャンフェン)でいいみたいです。

五香粉はウーシャンフェンと呼ぶと高級感がありますが、ぶっちゃけ単なるマルチスパイス。ほら安っぽくなった!ふはは、怖れるに足らず!五香粉の原材料の一種に茴香が使われています。

五香粉は持ってました。いまいち使いどころがわからず持て余していたので、消費する良い機会です。

レシピは検索しなかったので、基本、勘で作っていきます。

まず冷凍ソラマメをアッチッチになるまでレンチン。

アッチッチのソラマメに五香粉をドバドバかけて、かるく混ぜて全体にまぶすようにして。

作っておいた醤油+紹興酒+水の調味液をこれまたレンチンして。

調味液の比率は醤油:紹興酒:水=1:1:1です。長年の経験から算出された絶妙な黄金比ですわ。

この黄金比の黄金比たる理由は計算しやすいからです。え、味?薄けりゃ塩を足すんです!濃かったら涙を流しながら我慢してモソモソ食うんです!(もしくは水を足して煮直すとか、塩抜きするとか、洗うとか、まあ、いろいろ(濃すぎたときの方がリカバリーがめんどうなので、よく訓練された自炊ラーは、基本的に薄味で調理します)。)

五香粉をまぶしたアッチッチ(少し冷めた)ソラマメと、レンチンしたアッチッチの調味液を真空断熱フードコンテナに突っ込んで、6時間待って出来上がりって寸法じゃーい!

真空断熱フードコンテナに突っ込んだのは、味が染みるまで時間の必要な料理らしいと判断したため。勘で。

完成した後でレシピを検索して読んだら、実際、小一時間くらいコトコト煮るみたいですね。 うーん、すごいぞ私の勘ピューター!(昭和フレーズ)

 

完成

色は、あんまり美味しそうじゃありません。
茴香豆

わりと期待して食べたのですが、最初の一個を口に含んだときは、
「べつに美味しくはないな」
でした。 茴香豆

これなら枝豆の塩ゆでの方がはるかに……。いやまあ、そもそも自分、ソラマメがそんなに好きじゃないしな。まあ、レシピを検索しなかったし自分が失敗したという可能性も……

と思ったあたりで、猛烈に後味がフワーッと口の中にやってきて
「え?なにこれなにこれ?経験したことのない複雑な味!うわーっ、これは後をひく!!!」
となりました。
茴香豆

いままで、いまいち長所がわからなかった五香粉の、真の実力を拝ませてもらったというか。

しばらく、豆をつまむ手が止まりませんでした。

枝豆の塩ゆでとは、対極にある美味しさでしたね。枝豆の塩ゆではシンプル・イズ・ベストの美味しさ。茴香豆は「複雑さ」イコール「奥の深さ」の美味しさ。

国民性の違い的なものも感じました。

ほんとかどうか、中国人に確かめたことはないのですが、日本人は中国の、香草や香味油をふんだんに使った凝った魚料理を見て
「そんな良い魚を刺身で食べないなんてもったいない!」
と言い、中国人は日本人が魚を刺身で食べるのを見て
「そんな良い魚を調理しないも同然の食べ方をするなんてもったいない!」
と言う……てな話

気象変化の大きさとか、産地から消費地までの距離とか、そういうものが国民性に影響しているのでしょうね。

しばらく手が止まりませんでしたが、150gほど食べて、満腹になってセルフドクターストップがかかりました(すでに夕食を食べたあとだった)

500g、ぜんぶ茴香豆にしなくてもよかったんちゃうか?自分。
茴香豆

さて、食べたよという話はこれでおしまいですが、茴香豆を検索して、ちょっと驚いたことを蛇足ながら。

 >茴香豆 – ?基百科,自由的百科全?
 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%B4%E9%A6%99%E8%B1%86

中国語Wikipediaより。

なんということでしょう。本場(?)の説明だと醤も紹興酒も材料にありません。

まず、ソラマメは乾燥ソラマメを使用するようです。年間を通じてのオツマミともなれば、そうだろうなという納得はありますね。

味付けは(機械翻訳によれば)、塩・ウイキョウ(フェンネル)・シナモン・食用ケンフェロールなど。

食用ケンフェロール?なんじゃそれ?と思いますが、中国南部から東南アジアにかけてはメジャーなショウガ科の食材のようです。

 >ガランガル – Wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%AB

ただし

ただしショウガに似てはいるものの、味はかなり異なるため、両者を使う料理人は決して代用とすることはない。

そして

ガランガルという言葉は、ショウガ科の以下の4つの種を表す。

ナンキョウ
リョウキョウ(コウリョウキョウ)
バンウコン
オオバンガジュツ

なのですから、もう、わけがわかりません(しかも四つのうちバンウコンはショウガ科ではなくカヤツリ草科)。

よっつのうちオオバンガジュツの別名が”Chinese ginger”なので、本場の(?)茴香豆に使われる「食用ケンフェロール」とは、このオオバンガジュツだと思われます。

 >Boesenbergia rotunda – Wikipedia(英語版)
 https://en.wikipedia.org/wiki/Boesenbergia_rotunda

ちなみにケンペロールは天然フラボノールの一種。

 >ケンペロール – Wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB

ケンペロールは動物試験において、抗うつ作用が示されているそうです。豆類やショウガに多く含まれています。

してみると、孔乙己が茴香豆を好んで食べたのは、ある意味、理にかなっており、実在のモデルが存在したのだとすれば、人間の本能ってすごいですね、なのでした。


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