ママチャリで板橋から海を目指して一野宿二日の一人旅(前編)

荒崎のうねうねしましま波食岩を見に。

計画立案

ひとり旅に行きたいー!行きたいー!行ーきーたーいー!……と、一人旅欲求が高まった。 ふだん、散歩に行っては知らない道や狭い道に入りこんで迷って何時間も歩いて疲れ果てた体で帰宅……ということを繰り返してしまう私。 さすがに東京都を離れてそれをやって、帰ってこられなくなると困るので、事前に綿密な計画を立てた。目的地は奥秩父。岩だのダムだのを見るのだ。 東武東上線や秩父鉄道では青春 18 きっぷが使えないので、移動は自転車に決定。

  1. 川越街道を行けるかぎり自転車で北上する
  2. 体力的に限界になったら、電車を使う
  3. 行き当たりばったりで宿泊(野宿も想定内)

ううむ。なんという綿密で完璧な計画だろう。秩父の地図(Google Map)もプリントアウトしたぜ!さあ寝よう。

翌日は朝から雨だった。天気予報を見たら秩父は6日も7日も雨ときどき曇りだった。

いきなり計画に穴が開いた。この完璧な計画のどこにミスが……

小雨はあがり、曇天であったが神奈川の方は6日は晴れ、7日は晴れときどき雨らしかったので、計画を変更して海を目指してチャリで出発した。AM8:00。

♪海を目指して……とくらぁ。

出発

 鎌倉古道

出発してすぐ。む、鎌倉古道とな?ならばこの古道を行けば鎌倉にたどり着くはず。 すべての道は鎌倉に通ず。すわ鎌倉。取材を兼ねた時代劇マンガ家らしい旅程になるだろう。 すばらしい計画だ!よし!この道を行こう!

しかし浅薄なるかな自分。古道ってものは古いから古道なのだ。あちこち分断され失われてるのだ。それを知らなかった自分はすぐに道を見失ってしまった。

いきなり計画が頓挫した。

  1. 計画立案
  2. 出発
  3. 南へ……
  4. 港区桧町公園
  5. おいでませ神奈川
  6. つつじが丘湧水
  7. 横須賀って遠いわ
  8. 荒崎海岸
  9. 日没後

南へ……

気を取り直して、とりあえず目白通りを南へ向かう。南へ向かえばいつかは海に出るだろう (鋭い洞察力)。

 クリスト・リスペクト?

クリスト・リスペクトな(?)梱包された畑。練馬あたり。(→クリスト – Wikipedia

 置かれっ子どうぶつ  カバ  サイ  ポニー

造形にやんわりした狂気を感じる。練馬区にて。

 生活道

こういう生活道についつい寄り道してしまった。

しかしそれも最初の2時間までだった。3時間くらいあたりから疲労で集中力が無くなっていった。ただ無心に障害物や信号や標識に反応するだけ。
「いま、オレ、良いアルファー波が出てんだろうなー」
と思った。宗教家にはいいかもしれんが、街ネタに反応しなくなるのはブロガーにはよろしくない。

 シェフ

歯を剥くな。

港区桧町公園

それでも公園についつい反応してしまう。 水筒に水を補給するために通りがかった港区檜町公園で止まった。

 港区桧町公園  港区桧町公園  港区桧町公園

うはー。さすが港区。公園もオッシャレー!洗練されてるなー、と思った。の。だけど。

 港区桧町公園  港区桧町公園  港区桧町公園  港区桧町公園

ちょっと、洗練されすぎじゃねえか?って思った。なんだろう、自分が保守的なだけなのか。 子供には子供のころから良いデザインのものに触れさせるべきだというのが持論だったけど、 こういうの見ると考えを改めたくなってしまう。なんつーかセンスの押し付けのような気持ち悪さ。

いいデザインだとは思うんだけど。でもなー。うーん……。これらの遊具は大人の考える〝良いデザイン〟であって、子供にとっての〝良いデザイン〟じゃないのではないだろうか(……と考えるのもまた大人の勝手な思い込みで……。ループ)

おいでませ神奈川

飯田橋から六本木を通って国道一号をひた走り、ようやく多摩川へ出た。

 多摩川  多摩川大橋

 響橋

響橋。出発から約4時間あたり。ランナーズ・ハイっつーの?疲労で脳内麻薬がブワーッと出ていて素晴らしい多幸感。何を見ても感動できる時間帯だった。このあたりは地名も幸区だったっけ?(ちがうかも)

  かながわの橋100選 – 神奈川県ホームページ
  http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7488/p27856.html
  横浜市鶴見区寺尾


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 ひまわり  ひまわり

午前中は曇っていた空が午後になって晴れ渡り、汗ダラッダラ状態。Tシャツもパンツもズボンも汗でグショグショ。

【残暑】  汗をかき  ペダルかきかき  旅路駆く

つつじヶ丘湧水

自転車を漕いでいたら、つつじヶ丘に湧き水ポイントがあった。

 つつじヶ丘湧水  つつじヶ丘湧水

こういうスポットに出会えるのがたまらなく嬉しい夏のチャリ旅行。

水筒もカラに近かったので、ありがたく入れさせてもらってグビッと飲んだ。冷たい。美味い。説明書きを読む。この湧き水は昭和 12 年の国道建設の際に見つかったものだという。なになに……

 つつじヶ丘湧水

>生水のまま飲まないで煮沸して飲みましょう

        /⌒  ⌒\         ━━┓┃┃
       /(  ̄)  (_)\         ┃  ━━━━━
     /::::::⌒(__人__)⌒:::: \       ┃         ┃┃┃
    |    ゝ’゚     ≦ 三 ゚。 ゚                 ┛
    \   。≧       三 ==-
        -ァ,        ≧=- 。
          イレ,、       >三  。゚ ・ ゚
        ≦`Vヾ       ヾ ≧
        。゚ /。・イハ 、、    `ミ 。 ゚ 。

横須賀って遠いわ

 ショウリョウバッタ

気がつくとショウリョウバッタが自転車に止まっていた。

【道連れ】  我と来て  ともに旅せよ  青バッタ

 なんか楽しそう

歩道橋に貼ってあった警告。なんか楽しそうに遊んでいるように見える絵。しかし、雪で滑りやすいってんならともかく雨で滑りやすいのは設計の問題では……

 雨が降るとすべりやすい歩道橋

滑らせる気マンマンじゃねーか。

>「イメージでいうと、横浜市桜木町みたいなところ。落書きをするのが観光のひとつになっている」発言で有名な桜木町に到着。ストリートアートよりも、まっすぐ続くアーケード構造に感動した。

 桜木町

「 LOMILWA を唱えたのは誰だい?」

 男爵

池袋の喫茶店『伯爵』の姉妹店……なわけはない。

自転車を漕ぐ。延々と漕ぐ。濃いでも漕いでも、目的地である三浦半島どころか横須賀にも着かない。午後3時を過ぎた。写真を撮るのが目的の半分なので、日没後に到着したってしかたがない。おまけに膝が笑い始めた。脳内麻薬も限界らしい。尻が痛い。ペダルがちゃんと踏めなくなってきたので、このままだとなんでもない場所でバランスを崩して転んで車にはねられてグッバイ現世しちゃうかもしれないと思ったので、京急富岡駅でギブして、そこからは電車を利用した。ここまでの走行距離は約 60km 。〝ママチャリ使用&普段まったく運動してない人間〟だから、まぁこんなもんだろう。

 京急富岡駅

京急名物(?)の発車の作動音が音階になる「歌う車両」に乗れた。 他所者には楽しいギミックだ。

荒崎海岸

さて、電車に乗って旅の目的地の荒崎海岸へ。 しかし、朝になって急に秩父から三浦半島へ目的地を変えたこともあって、 具体的な場所がわからない。 記憶を頼りに三浦海岸で降りてみた。間違っていた。最寄駅は終点:三崎口だった。

三崎口に着いたのが 16:10 。そろそろ日没が怖い。荒崎海岸へはそこからバスで 30 分。 なんとか日没前に到着した。


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 荒崎海岸波食岩群  荒崎海岸波食岩群  荒崎海岸波食岩群   荒崎海岸波食岩群

これが旅の目的。荒崎海岸縞目状波食痕奇岩……と名付けよう、俺が。別名:うねうねシマシマ岩……と名づけよう、俺が。

 荒崎海岸波食岩群

波状岩っつーと、宮崎の鬼の洗濯岩が有名ですが、荒崎海岸のは範囲は狭いけど形はダイナミック。

 荒崎海岸波食岩群  荒崎海岸波食岩群  荒崎海岸波食岩群

白い部分が砂岩、黒い部分が凝灰岩だそうだ。ツートーンカラーが美しい。かっこいい。面白い。うーねうねーのしーましま、しーましまーのうーねうね。

シャチの群れのようにも見える。

 荒崎海岸

こういう場所には、ハートのかけらがあるはず!

 荒崎海岸

残念、ハートのかけらは誰かに取られたあとだった。

 荒崎海岸

波状岩のほかに、鵜戸崎の奇岩(桝席)にも似たおもしろい形の岩も少々あり。

 死んだカニ

死んだカニは良いですね。逃げないから。

 カニ

生きてるカニは逃げるんで、無理矢理つかまえた。 すこしは挟まれるかと思ったけど、まったく無し。
「貴様のハサミはなんのために付いておるのだっ!?」

 カニ

「そんなこと言われたってブクブク……」

ところで、時刻も時刻、日没間際。私が写真を撮っていた場所は荒崎海岸の中でも「夕日が丘」と呼ばれる(これは俺命名じゃなくて本当)夕陽観賞スポットとして有名な場所。

 荒崎海岸_夕陽

 荒崎海岸_夕陽

被写体として夕陽にあんまり興味が無いので、 太陽そのものがクッキリ写るように撮るべきなのか、 夕陽のエッジが曖昧になってでも空の赤さが際立つように撮るべきなのか、 よくわからない。

まぁ、自分の撮りたいように撮るさ。どうせ素人だしコンデジだし。

 荒崎海岸_夕陽  荒崎海岸_夕陽  荒崎海岸波食岩群

 荒崎海岸_夕陽  荒崎海岸_夕陽

たっぷり夕陽を撮って、ふと振り返ると高台になった場所の上に、10 名ばかしの望遠+一眼レフの皆様が。夕陽の名所だし土曜だもんな。そりゃいるわいな。

見られてたのか。私がコンデジで夕陽を取ってる様子をずっと上から眺められていたのか。

「あら、コンデジよ」
「コンデジだわ、うふふ」
「わざわざここまで来てコンデジ……」
「夕陽を撮るのにコンデジ……」

やめろやめろやめろやめてやめてやめてください……ヒック……もう少し手加減してください>私の被害妄想癖。

いやまぁ、無計画旅行の真髄は身軽さにあるんで私にとってはコンデジじゃなくてはならないんですが。 とくに、遠景よりも岩だの蟹だのが目的だし。

コンデジそのものが辛いんじゃないけど、自分だけ仲間外れっていう浮いてしまってる状態だけがちょっと辛かった。それだけ。

 荒崎海岸_夕陽

日没後

夕陽を撮ってるうちに、あえなく日没。 荒崎海岸の波状岩の本領は夕日が丘の先の弁天島あたりらしいのだけど、 見ることは叶わず。これも遅くなって到着した自分が悪い。 移動手段にチャリを選んだ自分が悪い。 旅行が無計画ってありえないよねー!

弁天島はいつかリベンジする。待ってろよ!

バスが一時間3本なので、いっそ歩いて駅まで戻ろうかと思った。

 道

迷ったのであきらめた。迷うのが大好きな私でも時と場合は選ぶのだ。こんな漁港で一晩を明かすのはさすがに辛い。(一晩、野宿して弁天島を見るという考えも浮かんだが、それだと2泊3日の旅になりかねないのであきらめた)

 ネコ

目元がセクシーな猫(単なる眼病)。

夕飯は横須賀中央まで戻ってカレーにした。 三崎まで行って魚料理を食べないなんて!と我ながら思ったが、まぁ、サイフの中身と〝せっかく旅行なんだからご当地料理を〟という気持ちの折衷案で横須賀海軍カレー。

 よこすか海軍カレーの店・ベンガル

ベンガル。横須賀海軍カレーの定義はよくわからないけど、シンプルで美味しいカレーだった。 女性三名くらいで切り盛りしてる店なのかな?アットホームでなごんだ。

 軽音

なんか駅前でバンドが軽音やってた。しかも上手いんでやんの。なにか。横須賀は土地を上げて勝ち組なのか。むかつくわー。(無茶な言いがかり)

体力的に横須賀で一泊しようかと思っていたけど、電車やバスで移動しているうちに体力が少し回復したし、まだ 20:30 だったので戻れるだけ戻ってみることにした。

 みなとみらい_夜

みなとみらいの夜景。くぅっ…こんな観光客ホイホイな被写体を……。でも、綺麗やね。素直に。

 日本丸  日本丸

日本丸

ん?

 像

超人。そのスジの人や地元の人には有名なんだろうか?照りとハイライトがかっこいい。 昼間に見てたらあんまり何も感じなかったかも。 この一族は夜が似合うね。なんとなく。

 超人と捕鯨と日本人

横のポスターは無関係です。でもまぁ、ゴリラのように強くてクジラのように大きい怪獣も円谷作品だから、つながりが無くもないか(こじつけ)

 一時的な通用路  一時的な通用路

こういうの好きだわー。東神奈川駅あたりだったかな。

途中、鷲の湯という天然温泉で一日の汗を流して替えのTシャツに着替えた。パンツとズボンの替えも持ってくるべきだった。

天然温泉で土曜日なのに、入浴料は 450 円。安ッ!東京だと銭湯でさえ 470 円なのに。 東京の天然温泉なんて土日だと 1000 円くらいするのに。

深夜 0:00 すぎに川崎に到着。この日の走行距離はトータルで 90km 。 寝心地の良さそうな場所はプロの家無き子の皆さんに占められていたので、 雨で濡れていた大理石ベンチをタオルで拭いて横になった。

数年前、真冬にコンビニすらない町で野宿したのを思えば、この程度の野宿はなんとも思わなくなってしまった。墜ちていく~ああ墜ちていく~。

そういえば川崎に向かう途中、横浜にて。 自転車があったからホームレスじゃなくて私と同じチャリ旅行中の人だと思うけど、 道端に簡単なマットレスを敷いてランニングとトランクスという姿で寝そべり、 傍らに雑誌とタバコをセッティングしてランニングの裾をまくっておなかをポリポリ掻いてる兄ちゃんがいた。くつろぎすぎ。周囲1m内が完全にそいつの自宅であるかのように錯覚し、
「へぇ~、キミん家って寝ながら空が見えるんだー。風流だねー!」
と声をかけそうになってしまった。

自分はその域には達していない。まだまだだ。まだまだだ。

後編はこちら→二ヶ領用水久地円筒分水など – 桝席

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このブログを書いた人間/サイト管理者

桝田道也(ますだみちや)
桝田道也(画像)

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