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まぐまぐ文庫はマンガの自費出版に使えるか?(※2004年の記事)

この記事どう? ええよ~

(※このエントリは2004年に書かれたもので、内容は古くなっていると考えられます)

まぐまぐ文庫はマンガの自費出版に使えるか?

現状では、料金に見合った品質は期待できなさそうに思えた。

まぐまぐ文庫とは、メールマガジン配信サービスの「まぐまぐ」が提供するプリオンデマンド出版サービスだ。
http://www.mag2.com/bunko/index.htm

電子化された原稿を書店の店頭で印刷するので、余剰在庫を抱える心配が無いのがメリットだ。

プロアマ問わず、マンガを描く人間にとって気になるのは、このシステムが同人誌・個人誌の出版ルートとして、使い物になるかどうかという点。

使い物になるかどうかというのは、

  • 投資に見合う利益があるかどうか。
  • 投資に見合う品質の本ができるかどうか。

の2点だ。残念ながら「まぐまぐ」の説明を読むかぎり、どちらもクリアできていないように感じられた。

まず問題となるのは、その料金設定だ。

  • 初期登録費用:35,000円(消費税込み36,750円) これは100冊分の印刷費用を含む。
  • 維持費用(6ヶ月毎):60,000円

よって、申し込み時に約10万円必要となる。

そして、本が一冊売れた場合の利用者に支払われる報酬は
> 本体価格 – (本体価格の50%+120円)
なので、仮に定価を500円と設定すると、半年内に770冊売れてようやく初期投資がペイできる計算だ。

コミケなどのイベントが絡まないとなると、知名度の低い作家/アマチュアにとっては厳しい数字ではないだろうか。

しかも、この料金設定では単価を下げるほど利用者に不利になり、薄利多売もしずらいシステムなのだ。

プレスリリース( http://konicaminolta.jp/about/release/kmhd/2004/0405_01_01.html )によると、料金設定は200円から可能らしいが、この価格を上の式にあてはめると、

 200 – (100 + 120 ) = -20

と、売れば売るほどマイナスになってしまう。現実的に考えると300円以下には設定できないだろう。

 

二つ目の品質の問題。まぐまぐが見本として挙げているのが↓コチラ
http://www.mag2.com/bunko/tesai.htm

実質的には簡易印刷だ。

品質的には オフセット>簡易印刷>コピー本 といったところだろうか。

モノクロ。中とじ。裏表紙は共通テンプレートを使用しなければならない。

そして、画像の解像度は240~360dpi奨励ということなので、マンガ同人誌の品質としては、あまり認められるレベルではない。
http://www.mag2.com/bunko/genko.htm

結論として、この品質・この価格では利益をだすことは難しいと思う

プリオンデマンド出版という手法には出版の未来が感じられるので、 まぐまぐには今一度、料金設定を見直してもらいたい。

2004/04/08

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