近世大名は城下を迷路化なんてしなかった_バナー



[鉄旅] 2017 夏旅行――なぜか兵庫でキャンプ場の管理人代行をすることに

この記事どう? ええよ~

竹田城~養父市大屋~犬山城…を 18 きっぷで回った2017 の夏旅行の話をだらだらと書いていくエントリ

訪問したそれぞれのスポットはすでに記事にしたので、移動中の落穂ひろいをば記事にしていこうというエントリです。記憶のうすれないうちに。
食パン型クッションのセカンドライフ

1日目。8/10。浜松、そして竹田へ

この日はもっぱら電車移動の日だった。

今年の行程では、とにかく終電までに竹田駅(兵庫県)につけばよかったので、始発電車に乗るために品川で夜明かしするということはせずにすんだ。やれ、うれしや。

午前五時前、最寄り駅の始発に乗り、池袋で 18 きっぷに最初のスタンプを押してもらい、東海道本線 品川 5:55 発の沼田行きに乗車。

多摩川。六郷。天気がよければ富士山が見える可能性があるという。本当だろうか。撮れたためしがないどころか、見えたためしもない。
多摩川 六郷橋梁

最初の目的地、浜松に到着。10:30頃。

静岡銀行浜松支店。なんかプレートが埋め込まれていたので、国登録文化財かな?と思ったけど都市景観賞のプレートだった。
静岡銀行 浜松支店

浜松城は、正月に行った松江城との堀尾吉晴つながりで、軽い気持ちで見に来たのだけど、思いのほかよかった。

けいがん!! 遠江国 浜松城 | 桝席ブログ
遠江国 浜松城

よくわからない顔出し看板って微妙に怖い。浜松市街にて
浜松市 顔出し看板

ふたたび電車移動。ついに、のんほいパークの観覧車ゲットに成功した。見えるのは前回の旅行で確認していたけど、そのときは撮れなかったので、うれしさもひとしお。
豊橋 のんほいパークの観覧車

運用再開が決まった松重閘門。ここは撮りやすい物件なので、何度も撮ってしまう。
名古屋 松重閘門

しかし、基本的に混雑してて車窓写真の撮影に適さない状態が続いた。米原から先は姫路まで窓際に座れず、写真も無し。

姫路に到着。ここでいったん途中下車。
姫路駅 新幹線高架下

姫路城に行くためではない。いや、何度行っても良い城だけど、この日のスケジュールには入ってなかった。

この日の夜、私は竹田の立雲峡で野宿する予定だった。翌日、養父の天滝キャンプ場に泊まる予定で、そこはシャワーしかない。

明日以降のために、なんとしてでもお風呂に入っておきたかった。となると、姫路で銭湯に入るのがもっともリーズナブルだったのである。

森の湯。良い都市型銭湯だったが、あいにくの夕立。
姫路 森の湯

せっかく銭湯で温まったけど、姫路駅にもどるまでに温まった体はすっかり冷えてしまった。荷物軽減のため、傘を持たず簡素なヤッケしか用意してきてなかったから。

はじめての播但線に乗ったのは日没後。写真はほとんど無し。

竹田駅到着。重い荷物をもっての登山は愚の骨頂なので、不要な荷物(3日目以降の着替えなど)をコインロッカーに入れ、攻城団にコインロッカー情報を投稿するために写真を撮った。
兵庫 竹田駅コインロッカー

  >竹田城の写真:竹田駅コインロッカー(1) | 攻城団
  https://kojodan.jp/castle/75/photo/59613.html

足首サポーターをつけ、立雲峡へ出発。

その後、せっかく野宿&早朝登山したにもかかわらず、立雲峡からの竹田城が見られなかったのは、すでに書いた通り。

天の海、雲の波、夏の草、蒼の空。 但馬国 竹田城 | 桝席ブログ
但馬 竹田城(兵庫県朝来市)

というわけで、とくに面白いことはあまりなかった、一日目の移動だった。

ただし、のんほいパークの観覧車写真が撮れた時の瞬間的なテンションはこの旅行中、最高だったかもしれない。

2日目。朝来に養父。兵庫県の地名は難しい。

立雲峡からの竹田城は見られず、ちょっとだけ意気消沈しながら下山。いったん、駅へ。

イチジクの実。まだ、スーパーで見慣れた色に熟してなかったので、それが何の実であるか、このときはわからなかった。
いちじく 立雲峡の近く

特徴的な葉の形が、アダムやイブの股間をかくしていたあの葉っぱだと気づけば、わかっただろうに。

まあ、いい。次からは、わかるようになったのだから。もう、忘れない。見かけたら食べるぜ(ぉぃ

竹田城は、城下町も良い。朝早すぎて、何かを買うと言うことはできなかったが。
朝来市 竹田

あ、ガンダムだ(ちがう
竹田駅(兵庫) 除雪車

駅前の公園の近くだったので、
「お!おもしろい列車が展示されておる!」
と思ったけど、展示物ではない現役の除雪車だった。このあたりは兵庫県の豪雪地帯だ。

その後、バスで竹田城の城域まで行き、鑑賞して下山。こっちは晴天にめぐまれた。というかさすがに但馬地方の高所とはいえ、炎天下でなかなかの暑さだった。

竹田城からは駅裏登山道を歩いて下山して駅に戻ったけど、バスで下山でよかったかも。めぼしい遺構があったわけでもなく、降りるのさえけっこう大変な登山道だった。無駄に体力を消耗した。

10:30。予定より1時間早く、次の目的地の八鹿駅に向けて出発。急いだのは、天気予報で午後の雨が濃厚になっていたからだ。

なお、この日の電車移動はこれだけであり、片道 320 円なので 18 きっぷは使用せず。

和田山駅からは良い感じに古びたレンガの建物が見えた。古い車庫だそうな。
和田山駅

偉大なるローカル線、山陰本線の和田山 – 八鹿間で、目を見張るほどの車窓や、大きな仏像などの珍百景はなかったのだけど、円山川の堰はなかなか良かった。

たぶん、寺谷井堰って所だと思う。
円山川の堰

そして、目的地の大屋谷へのバスが出てる八鹿駅に到着。
八鹿駅

大屋谷があるのは兵庫県養父《やぶ》市という。“なにかと読めない町”というユニークなキャッチコピーで、難読地名を逆手にとったPRをしている。

正直、竹田城のある朝来《あさご》市だって、たいがい読めないけどね。

ついでに八鹿《ようか》駅も、なかなか読めるものではない。

残念なことに八鹿駅にはコインロッカーが無かったので、重い荷物をぜんぶ持って移動せねばならなかった。

地方都市の行政は観光客を増やしたいなら、まず、そういう地味で基本的なところを足固めしてほしい。 難読地名を逆手にとったPRなんてものは、基本がしっかりできてからだ。じゃないと、観光客はリピーターにならないのではないか。

クッソwwwwwクッソwwwwwwwwwwww
BUS の本気(全但バス)

兵庫県の高所で避暑地だといっても、なかなかの暑さだった。降りるバス停をひとつ間違えて 1km ほどよけいにあるくことになった身には、なかなかしんどかった。

まずは小手調べ。伝栃尾氏館を訪問。

藤堂高虎の仲人? 但馬国 伝 栃尾氏館(兵庫県養父市大屋夏海) | 桝席ブログ
但馬国 伝栃尾氏館

伝栃尾氏館を見た後、田和城まで行く途中、あまりの暑さにスーパーでビールを買うなどしてしまった。あくまで取材優先で、一人旅の最中はアルコールを控える私だけど、ここで飲まなければ熱中症で死ぬと思ったから。←なら水を買えよ。なんでビールやねん。

あと、カロリーも補給。ビールに甘いパン。気にしない。

パンは地元の業者の製造する「リンゴパン」なる商品。
りんごパン 養父市大屋にて

リンゴフレーバーの生クリームの菓子パンで、べつにどってことない、普通に甘くておいしい菓子パンだったけど、こういう、その土地でしか売ってない普通の食べ物をスーパーで買って食べるのも一人旅の醍醐味だ。

腹ごしらえがすんだら、田和城へ。すばらしかった。

ごろごろドボンどんぶらこ 但馬国 田和城 | 桝席ブログ
但馬国 田和城(兵庫県養父市大屋)

藤堂高虎ゆかりの郷記念碑(兵庫県養父市大屋) | 桝席ブログ
加保の藤堂高虎碑

田和城、そしてあゆ公園の藤堂高虎記念碑を見たら、大杉地区および下蔵垣合戦地へ向かう。バスで行きたかったが、一時間に約一本のバスとタイミングがあわず、しぶしぶ数キロを歩くことに。

この日、私は大屋中学校の裏山が加保城だと知らなかったから行かなかった。知ってたら、どうだったろうか。 無茶なスケジュールを組んで、詰んでいただろうか。

そうはいっても、結局は、もう一度、この大屋谷に行かねばならんのだなと、いま思っている。なぜなら、その加保城こそが小代一揆との下蔵垣合戦の時に藤堂高虎が籠った城だと伝わっているからだ。

すごく良いなあと思った。おばちゃんの銅像。
おばちゃんの銅像 養父市大屋にて

大杉地区に銅像の原案者の作品を展示しているらしき、木彫館があった。なんか、肩に何かが乗ってる。正直に言えば、乗ってないほうがよかった。
おばちゃん 養父市大屋 木彫展示館

しかし、このカイゼルヒゲのまねき猫の方が、むしろ作者イチオシの作品なのだろう(このまねき猫の単体作品も別の場所にあった)。

えてして、作者の自己評価と世間の評価はずれるものだ。そういうものなのだ。

歩くんだったらと、”時間があったら寄る”に入れていた大杉城跡に向かった、の、だが。
養父市大屋 大杉地区

ここで天気予報通りの夕立が来てしまったので、大杉城跡は目前にして撤退。

小代一揆平定後の藤堂高虎の屋敷があり、新婚生活を営んだと伝わる場所だけど、まあ、遺構はそんなに残ってないしね。

バス亭でしばらく雨宿りして、再出発。心配していた夕立はものの20分で上がり、炎天下が戻ってきた。

事前にストリートビューで場所をチェックしていたので、下蔵垣合戦地の碑はなんなく見つけることができた。

がんどう塚は、事前の下調べで場所が把握できてなかったので、はじめから予定に組み込まなかった。

下蔵垣合戦地の碑に「山手に塚あり」の文字が刻まれていたと気が付いたのは、東京に戻って写真を見てからだった。後悔は先に立たない。

下蔵垣の古戦場跡の碑(兵庫県養父市大屋) | 桝席ブログ 下蔵垣合戦地(兵庫県養父市大屋)

雨が上がったので、大杉城へ戻る案もあったけど、いまさら感があったので、先へ進むことにした。今宵の宿泊予定地、天滝キャンプ場だ。

下蔵垣から天滝入口まで、バスで行きたかったけど、一時間に約一本のバスとタイミングがあわず、しぶしぶ数キロを歩くことに。

俺の辞書に「待つという言葉はないのだろうか?」

しかし、疲労と言う二文字はあったようだ。水筒もカラになっており、どこかで水分補給したかったが、自販機は見当たらなかった。

そして、「わはは牧場 があぶう」という喫茶店の前を通り過ぎた。

「わはは牧場 があぶう」で、つかのまの休息

通り過ぎた?そう。

このお店は Google Map にも出ているので、名前は目にしていた。そして、なんとなく、脱サラした夫婦が田舎暮らししてはじめたお店のように勝手に決めつけていたので、もともと眼中になかったのだ。

もともと、私はカフェでコーヒーを飲むという習慣がない人間だ。コーヒーなんか、自販機で十分だ。数百円も出すなんて、他人とおしゃべりするためでもなきゃ、払うわけないのだ。

が、ハッとあることに気づき、ふりかえる。

喫茶店の後ろに、畜舎が見えた。

店名を思い出そう。「わはは牧場 があぶう」だ。牧場……。牧場!?

畜産業者さんの直営の喫茶店だ!!これ、ぜったい美味いやつ!!高いかもしれんけど、絶対に美味いやつ!!

ケチケチ旅行の私だけど、本当に価値のあるものには、払うべきものを払う気概は、ある(ふところがゆるす範囲内で)。

ここまで但馬の名物をたべてもいないし、ここらでちょっとだけ贅沢をしてもいいと思った。

水分をとらないと、熱中症の危険があるから、と、自分に言い訳もできた。

きびすを返して引き戻り、カフェのドアを開ける。カランカラン。

店には、率直に言って、女性店主と、ママ友らしい女性客と、眠る男児がいた。

代々続く牧場の旦那が牧場経営し、奥様がカフェを切り盛りしている感じだろうか。

テイクアウトできるか聞いてみたら、できるというので、アイスコーヒーとコロッケサンドを注文した。 買うと決めた以上は、値段など見ない。聞かない。千円以下であってほしいと願いながら。700 円くらいならうれしいんだが、と思いながら。

実際は、900 円だった。うむ。セーフ(なにが?)。

テイクアウトを頼むお客などほとんどいないらしく、けっこうな時間、待たされた。逆に店主とたわいない世間話をする時間も口実も生まれて、なかなか良かった。

カフェに通う習慣のない私だけど、牧場こだわりのお肉を使ったコロッケサンドが食べられてコーヒーも飲めて、看板娘を拝められるなら、定期的に 900 円払って通うのもわからんでもない。

つかのまであったけど、「わはは牧場 があぶう」は、この旅行を彩るワンポイントとなった。

  >但馬牛、合鴨農法、アイガモ処理場のわはは牧場へようこそ
  http://www.wa88.jp/gaabuu.htm

サイトの責任者を見ると、上垣という方の名前になっているが、この先の天滝キャンプ場やレストハウスなどで、
「上垣さん家の〇×」
というフレーズを見かけた。大屋では、ちょっとしたブランドらしい。

なお、カフェには、ここで但馬牛の他頭繁殖を始めた(おそらく)先々代の上垣さんの自伝が置いてあった。見出しや目次しか見てないけど、わかかりし日のロマンスなども書いちゃったらしく、なかなか微笑ましかった。

カフェのまどから大きな記念碑のようなものが見えたので、聞くと、この偉大なる先々代の墓だのこと。

エアコンの効いたカフェで休憩し、元気も出て、ふたたび歩くのを再開。

値段の内訳は聞かなかったけど、コーヒーが 400 円として、このコロッケサンドが 500 円だろうか。
わはは牧場 があぶうのコロッケサンド

薬味のシソが効いてて、コッテリなのにさわやか、さすがに美味しかった。炎天下を歩きながら飲み干したアイスコーヒーも、また格別だった。

天滝キャンプ場で管理棟に泊まるのこと

天滝キャンプ場へは、予約なしで飛び込んで、泊まれるかどうか聞いてみた。

なぜ予約しなかったのかというと、天候次第で強雨になるようだったら、撤退して福知山あたりにでも泊まろうかと考えていたから。

が、もう、雨の心配はなさそうだったので、キャンプ場が第一希望になっていた。

しかし、私は知る由もなかったけど、予約なしに、ツーリングでもなく、いきなりひとりでキャンプ場へ来る人間は、キャンプ業界では要注意なのだそうな。

なぜなら、バスと徒歩で、一人で、予約なしにキャンプ場に来るやつなんざ、もうその時点でフツーじゃないからだ。

私としては、養父氏大屋地区に、リーズナブルな安宿やビジネスホテルやネットカフェや 24Hサウナ やカプセルホテルがなかったので、あとは野宿かキャンプ場かであり、シャワーがあるならキャンプ場にしよう、というくらいの、いたって自然な結論だったのだが。

ともあれ、要注意人物として警戒された私は、強く、熱心に、管理棟の空き部屋(荒天時にキャンプ客を収容する、20畳~30畳くらいある大部屋)に泊まるよう勧められたのだ。
天滝キャンプ場

目の届く範囲に置きたかったらしい。

まだ、警戒されていることに気づいてない私は、せまくて暑いテントじゃなくて、屋根のあるところに泊めてもらえるなんてラッキー!渡りに船だと思って、ふたつ返事で、管理棟に泊まることに同意した。

宿泊料は、1ブース+テントレンタル代と同じだった。

この日の宿を確保し、荷物をおろすと、まだ日没まで時間があった。そうだ!今日のうちに天滝を見てしまえば、明日以降に余裕ができるぞ!

が、携帯電話も懐中電灯も管理棟に置いたまま出てしまったので、あわてて走破し、手前の小さな滝を天滝だと誤解して天滝を見ずに戻ってしまった。

慌てず急げ、高虎のように。天滝の路(兵庫県養父市) | 桝席ブログ
天滝渓谷(兵庫県養父市)

なお、メシ時にはちょっと顔を出せと、あらかじめキャンプ場のおじさんに言われていた。

人見知りを隠して、しかたなく顔をだした。 なにせ、泊まってるのは管理棟だ。逃げようがない。

だまって天滝へ行ってたことを知り、管理人のおじさんは、やや不機嫌な顔をした。見張っておきたいから管理棟に泊めたのに、短時間とはいえ行方をくらましたのだから、そうもなろう。

このキャンプ場の管理人のおじさんが、また、個性的な人物だった。

もともと郵便局員として、週末は趣味の山登りをする山男として、定年まで勤め、のちにこの天滝の入口がキャンプ場に良いと大屋町(当時)にかけあって、天滝キャンプ場を開かせ、第二の人生を管理主任として過ごしているのだという。

キャンプ場の、他の職員さんたちは通いだけど、このおじさんは、管理棟に宿直しているらしい。奥さんや子供がいるのか、またはいたのか、そのへんは聞かなかったのでわからない。

そして、勤務中なのでと午後6時までは飲まないが、午後6時以降は勤務中ではないという理由で、管理棟で晩酌しつつ夕食というのが日課なのだそうだ。私はそれにつきあわされたのである。

しかし、ここはキャンプ場。夜10時すぎくらいまでは、薪を買ったりドライヤーを借りたりで、お客が管理棟に来る。おじさんは対応する。 建前上、勤務時間ではないので、本人曰く
「ボランティア」
だそうだ。しかし、このボランティア管理人、当然に、どんどん酔っぱらっていくのである。

私はビールをおごってもらったとはいえ、遠慮もあるし、明日のこともあるから、酔うほどは飲めない。 が、おじさんはそんなの気にせず、どんどん酔っぱらっていく。

結果、どうなったかというと。

お客「すいませーん、シャワーってどこですか」
ぼく「管理棟を出て右です」
お客「ドライヤーって使えます?」
ぼく「あ、ここにありますよ。管理棟一階のお手洗いで使えるみたいです」
お客「キャンプファイヤー用の薪が欲しいんですけど」
ぼく「あ、はい。おじさん!お客さんです!おじさん!薪がほしいそうです!」

と、なぜか臨時の管理人代行することになったのだった。オレもお客なのに!まあ、ボランティアだ。

ひととおり案内したあとで、
「わたしも、今日たまたま管理棟に泊まることになった客なんですけどね」
と言うと、確実に小さな笑いがゲットできたので、まあ、楽しんで自分から率先してやった感がないでもない。

あとは、おじさんと世間話。

説明しよう!コミュ障も度が過ぎると、 人見知りを悟られないために、初対面の人相手に それなりの世間話ができるスキルが身についてしまうのだ!

それ、もはやコミュ症じゃない?いやいやいやいや。断じて!なぜなら、しかたなくやってる!俺はコミュ障だったらコミュ障!

そんで、私は関西人じゃないので、おじさんのボケにツッコめず、そのことをなじられた。

とはいえ、私と言うゲストがいたので興が乗ったのだろう。おじさんはギターを引っ張り出し、自慢の歌まで披露したのである。

曲名は『旅と涙と一人酒』だったと思う。『山と涙と一人酒』だったかもしれない。

作詞・作曲は山男仲間の別の人間で、元は非常にスローなバラードだったというが、この日、おじさんがギターで弾いたのは宴会向けの、より歌謡曲っぽいアレンジバージョンという話だった。

つまり、インディーズ曲である。レア曲である。

聴けて、うれしかったかどうかというと、まだ私は評価をくだしかねている。

曲自体はおじさんが自ら評したように、
「売れ線の曲の寄せ集めのような、癖のない弾きやすい歌いやすい曲」
であって、実際、その通りだった。

おじさんの歌を聴いてから2か月。もうメロディは思い出せないが、サビが
「旅と(or 山と)涙と一人酒~♪」
だったのは、忘れることができそうにない。

ともかく、得難い体験だったのは間違いない。

もし、この曲が聞きたかったら、天滝キャンプ場に、ひとりで、バスと徒歩で行き、予約なしに泊まりたいと言えばいい。ボーナス特典として管理人代行も体験できる。

 

3日目。8/12。手取川へ

実際は見ることができていなかったのだけど、本来はこの日の朝に見るつもりだった天滝を見れた!時間ができた!と思い込んでいた。

もともとの予定では、この日は小代谷に行き、小代城を見るつもりだった。

が、そのためにはバス代、約 1,000 円と 45分 くらいかけて八鹿駅へ戻り、そこからまたバスで 1500 円と 70 分くらいかけて小代へ行き、小代城を見たら 1500 円と 70 分かけて八鹿駅に戻らねばならない。

失礼ではあるが、小代城に、それだけの価値があるようには思えなかった。

せめて天滝から小代へバスが通じていれば……いや、大屋から加保坂をこえて関宮につながるコミュニティバスでもあれば……と願わずにはいられない。

そもそも小代谷は養父市ではなく香美町だ。なのに、香美町の玄関口であるJR香住駅から小代谷へのバスがないっていうのは、いったいどういうことなんだ。それでいいのか、やい。

さすがに、秀吉軍に敗れた地侍たちが逃げ込んで、野盗と化すほどの谷だ。いつか行くかもしれないが、小代谷は、なかなか大変な場所らしい。

なので、小代谷はあきらめて次の目的地に向かうことにした。石川県の手取川だ。柴田勝家の率いる織田軍が上杉軍にボロ負けぶっこいた古戦場となった川だ。

天滝口ではバス停が見つけられず、地元住民にたずねてしまった。住民の足だから新道のバイパスではなく、旧道沿いの住宅街に乗り場があったのだった。

八鹿駅についたのは 8:16 頃。

山陰線から福知山城が見えた。
福知山城

いつかは行かねばならん城。三丹地方のハブなので、そのうち行けるだろうと思っていたら、いまだに行けていないというね。

この日、このタイミングで石川県に行くなら、綾部から舞鶴線で敦賀経由の方が早かったが、うっかり乗り過ごし。
綾部駅

偉大なるローカル線と呼ばれる山陰本線であるが、山と谷と田園風景ばかりで、やや退屈だった。鉄道ファンには、その田舎の風景こそが楽しみなのかもしれないけど。

とはいえ、さすがに嵐山渓谷の車窓はすばらしい。
嵐山渓谷

京都から米原までは、もうさすがに飽きつつある東海道本線の風景。あたらしい物件も撮れず。

近江塩津駅。
近江塩津駅

塩津と言えば、中世には琵琶湖を縦断する水運ルートの、北側玄関口として栄えた港町だったはずだ。なのだけど、いまやひなびた場所となっていた。駅が郊外にある点を差し引いても、ここがかつて栄えていたとは信じがたい。

しかし駅地下通路はすばらしい。ゾンビネズミやゾンビコウモリが出そう。わくわく感がある。
近江塩津駅 地下道

やけに厚化粧のゴスロリ風(?)ペアルック女子中学生二人組。
近江塩津駅にて

実はこの日、鯖江でHEY!SAY!JUMPのコンサートがあった。彼女らは少しでもアイドルに見てもらえる目立つ格好をと必死の見当の結果、この姿に結論したらしい。

近江塩津から先、続々と派手女性客が乗り込んできた。さすがに二十歳以上っぽい女性は普通の恰好が多く、奇妙な衣装やペアルックはだいたい少女たちが中心だった。

アイドルを見に行くと同時に、見られようとしに行く。これはこれで、なかなか興味深い文化だ。

福井は県をあげての恐竜推し。宣伝はわかるけど、座りたいときにこいつのせいでベンチに座れなかったら悪印象しか残らないってことは、考えないのだろうか。
福井駅だったか

乗り換えで 40 分ほど時間があったので福井駅前をぶらぶら。動く実物大恐竜ロボットなどあり。これは子供はかぶりつきですわ。
福井駅前

ちょうどこのころ、ツイッターで千田先生が福井城に厳しいことを言っていたのを思い出しながら、福井城の入口まで行ってみた。
福井城

今回は時間が無くすぐに戻ったけど、江戸城に似た石垣の、そう悪くない城だと思った。

遺構の残りは決して良くはないけど、もっとひどい城はたくさんあるので、なんで千田先生があそこまで厳しく福井県を責めたんだろ?と不思議に思った。

不思議に思ったので、旅行後に一連の会話を流れを追ってみた。

最初のツイートは、ちょっと残念くらいのニュアンスでしかなかったんだな。

「本日は、福井県勝山市の白山平泉寺の調査と整備の委員会に出席。近未来に防御した宗教都市・白山平泉寺の惣構えと構口(城門)の発掘・整備を計画しています。写真は福井城天守跡ですが、21世紀に石垣と堀で守られた福井県庁と福井県警本庁舎の威容ばかりが目立ってしまいました。 https://t.co/S0j3zGAcWZ」
https://mobile.twitter.com/yoshi_nara/status/890854876795686912

これに対して、復興の象徴として、県庁と県警が見守っていると捉えている県庁、警察署がある城跡として整備すべきなどと論点のズレた反論がつき、文化財保護の側に立つ人間として、うかつに同意したらお墨付きを与えることになりかねず、引くに引けなくなったという感じか。

個人的には、もちろん移転してくれたらうれしいけど、いますぐ立ち退くべきとも思わない。そこに市民の税金が投入されるわけだしね。 文化財保護が、すべてに優先されていいわけじゃない。

そうこうしつつ、手取川の最寄り駅、小舞子到着。思いのほか、夕方になってしまった。
小舞子

手取川。わざわざ訪問するかいがあるほど、遺構があるかというと、そんなことはなくて、ただロマンを感じるばかりだけれど、小舞子海岸はただひたすら、美しく、荒々しかった。

織田の大敗 芭蕉の歓待 手取川と小舞子海岸 | 桝席ブログ
手取川と小舞子海岸(石川県白山市)

美しいのはたまたま夕暮れ時だったせいもあろうし、荒々しいのは日本海の特徴だろうが。

美しさに感動してしまうと、ヘボ句を詠もうという発想すらわかなくなるのが、私のだめなとこだな。 海岸の公園には芭蕉の句碑もあったというのに。

鑑賞後は、日没。翌日の犬山城に向けて、岐阜県各務原市まで移動し、一泊。

4日目。8/13。犬山城と蓬莱橋

各務原《かがみはら》市。読めなかった。一泊しただけであり、とくに感想はないが、朝の青空がうれしかった。
各務原駅

城域には入れなかったけど、鵜沼城周辺の景色は良かった。

犬山城の目の上のたんこぶ 美濃国 鵜沼城(岐阜県各務原市) | 桝席ブログ
美濃国 鵜沼城

そして、初めて訪問したときにはデジカメのバッテリ切れで悔いを残した犬山城も、万全の態勢で再訪し、満喫した。

枯死してなお愛される 犬山城の大杉様(愛知県犬山市) | 桝席ブログ

名勝と国宝城の絶景。木曽川と犬山城 | 桝席ブログ
尾張国 犬山城

木曽川ごしに見る犬山城も撮った。犬山頭首工、グレートな土木であった。

犬山の景観は守られたのか変えられたのか 犬山頭首工(愛知県犬山市) | 桝席ブログ
犬山頭首工(愛知県犬山市)

あらたな宿題もできたけど、全体としては、まあ、まずまず、よしよし、うむうむの犬山訪問になった。

そして、岐阜に戻る。

東海道本線の車窓から、信長像は見えるのかどうか問題。だいたいわかった。
岐阜駅前 信長像

1番線、つまり東海道本線の上り列車なら、確実に見える。5番線・6番線、つまり東海道本線の下り列車からは見えない。

2番線(東海道本線の上り)だとどうだろな。今回は確認できなかったけど、厳しいんじゃないかと思う。

もともとの予定では、時間があれば加納城(岐阜市)を見ようと思っていたけど、予想以上に時間があったので、予定を変更した。

この時間なら、蓬莱橋を見られる!歩ける!もう、大井川を渡るたびに指をくわえるのはやめだ!

わだかまってる蓬莱橋問題にケリをつけようじゃないか!

というわけで、最寄り駅の島田で下車。

するなするな。行政区域を緑茶にするな。狂気を感じる。
島田市緑茶化計画

原発から 22.8km 。そうか、20km 圏内じゃないんだ!安心だネ!狂気を感じる。
原発から 22.8km

ウンコの入った袋、ウンコを処理したスコップを手にしたまま、肩を組むな。満面の笑みを浮かべるな。狂気を感じる。
手にうんこ

それはそれとして、長年の夢をかなえて、ついに訪れた蓬莱橋。が、だったけど、後半はグダグダだった。まあ、そういうものじゃよ、お若いの。

世界最長木造歩道橋!!大井川の蓬莱橋!!後半グッダグダ!! | 桝席ブログ
蓬莱橋(静岡県島田市)

蓬莱橋を渡り終え、島田駅に戻ったら、雨になり、そのまま日没。そして自宅へ帰還。

したがって、最終日に夕焼けだの虹だの、いかにも旅が終わった!という感じの写真が無かった。

しかたがないので、二日目の天滝渓谷での夕焼け
天滝渓谷の夕暮れ

最後に、恒例の、ご当地コンビニおにぎり。
ご当地コンビニおにぎり(一部、全国区のもの含む)

福井梅はご当地じゃない、全国区のものだったと思うけど、福井で買って食べて、作った工場も福井だったので自分的にセーフ。

KIOSK のコンビニも中身は大手コンビニになり、どんどん、ローカルおにぎり・パンが減ってて、この趣味も難しくなってきた。

わざわざ、ご当地食品を集めた観光客向けのコーナーはお呼びじゃねえんだよ!わかれよ!そういう風に観光客向けにパッケージングされると萎えるんだよ!

名物じゃないけど全国区で売ってない、地元企業が地元で売るために作ってるような、普通の総菜おにぎり・パンが食べたいんだよ!

(↑このひとはなぜそんなに、頭で血をたぎらせているのだろう?)

そんなこんなで、今年の夏も充実した一人旅を満喫いたしました。おしまい。

ここはシェアと拡散の店だ。どんな用だい?

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